こんにちは。matsue-akiyadaisuki(@matsueakiyasuki)です。
築古物件を投資対象にしているとたまに見かけるのが「再建築不可(さいけんちくふか)」の物件。自分が欲しい物件が資料に「再建築不可」って書いてあると、その物件を購入して良いのか不安になりますよね。
私もよく「再建築不可の物件には手を出さないほうが良いのか?」という質問をほかの投資家さん、投資家予備軍の方から受けます。
そこで再建築不可物件について、どちらかというと不動産投資家的な目線から購入の可否や注意点などを解説します。
私自身も実際に再建築不可の物件を保有しており、その中で気づいた点などもお伝えします。
再建築不可物件って購入しても良いの?

よく言われる「投資物件で再建築不可の戸建物件って購入して良いの?」という質問について、
私個人の考えは、再建築不可物件の特徴を理解した上であれば「購入しても全く問題ない!」です。
それは、この理由に集約できます。「投資効率のいい物件になりやすい」からです。つまり、利回りが上がって手元にお金が残りやすい、ということ。
色々なイメージが先行して何となく手を出しずらい再建築不可物件ですが、安く買って運用すれば十分皆さんの賃貸経営に貢献してくれます。
自治体にもよりますが、再建築不可物件 とされる物件数はおおむね住宅全体の5~15%程度と言われています。およそ5件から15件に1件以上と結構な割合です。
これらをわざわざ自分から「食わず嫌い」して投資対象から外してしまうのは大きな機会損失だと思います。
私も再建築不可の物件を実際に保有して実感していますが、いくつか意識すべきするポイントさえ抑えれば、全く賃貸経営に支障はありません。
そもそも再建築不可物件とは?

そもそも再建築不可物件とはどういった物件の事を指すのでしょうか。
「再建築不可物件」とは、その名の通り「再び建築することがが不可能な土地」のことを指します。
つまり、今建っている物件を壊して更地にした場合、二度とその土地に建物が建てられないという土地です。
上のイメージ画像を見て頂きたいのですが、画像のような幅の狭い道でかつこの道路が建築基準法の道路(後述)ではなく、しかもわずかな幅しか面していない土地には新しい建物は建築できないということですね。
どんな土地が再建築不可になるのか?
再建築不可に該当する場合は様々ですが、最もポピュラー場合は「接道義務」を満たしていない土地です。
接道義務とは、都市計画区域および準都市計画区域内(いわゆる一般的な街中ですね)に建築物を建てるときは、幅が4メートル以上の「建築基準法上の」道路に2メートル以上接道していない土地には新しく建物を建築してはいけない、という建築基準法第42条の決まりです。

建築基準法の接道義務について、もう少し詳しく図で説明します。ちょっと極端な例ですが、1~4の建物が建っている土地があるとします。この中で再建築が可能な土地はどれでしょうか。
そう、答えは1.の土地だけです。
1.はいわゆる「建築基準法上の道路」、(ほとんどの公道が該当)に2メートル以上土地が接道しているので、再建築できることになります。一般的な宅地ですね。
2.は 「建築基準法上の道路」 に接道してはいるものの、現況では接道している長さが2メートル未満なので、現状では再建築不可となります。
3.は一見道路に2メートル以上接道しているように見えるので再建築可能にも見えますが、接道している道路が「建築基準法の道路ではない」道路に隣接しているだけで接道義務を満たしていません。一般的には公園の通路や行政の許可を受けずに勝手に作った道路などが該当します。
4.は見ての通り、どの道路にも接道していないので再建築は無理です。
今回テーマとなる「再建築不可物件」とはこの例の2.~4.の該当する土地だとお考え下さい。
再建築不可でも再建築可能になる方法はあるの?

これは本当にあります。建築基準法第43条に以下のような記載があります。
その敷地の周囲に広い空き地を有する建築物およびその他の国土交通省令で定める基準に適合する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上および衛生上支障ないと認めて建築審査会の同意を得て許可したもの
引用元 e-Govポータル「建築基準法第43条2項2号」
つまり、建築基準法上の道路に2メートル以上接道していなくても、周囲に広い敷地があって、建築審査会が認めた場合は再建築可能になります。
「建築審査会」とは、建築基準法第78条第1項の規定に基づいて各自治体に設置されている機関で、主にこの再建築許可などを司る機関です。
まずはお住まいの自治体の住宅政策、指導を司る部署に、再建築の可否はお問合せしてみることを強くお勧めします。
私が行政の方とお話しした経験上、自治体や担当者ごとに再建築についての解釈はかなり差があり、現場の裁量で多くの部分が判断されている印象です。
これは私の経験談なのですが、もし担当部署で再建築の可否について質問される場合、「この土地は再建築不可かどうか」と聞くと杓子定規な答えしか返ってきません。
そのため、質問をもう少し具体的にして「この土地が再建築可能になるためにはどのような条件を満たせば良いか?」というスタンスで質問すると、具体的なアドバイスがもらえる場合があります。
これを購入前に行うのがコツです。
その他にも、2.の接道が2メートル未満の場合、隣地の土地を交渉して購入または賃借して、接道を2メートル以上にすれば、再建築は可能になります。

ベテラン投資家や業者さんになると、再建築不可の土地を安く購入し、このようなテクニックを駆使しして再建築可能な状態にして転売するということも普通に行われています。
ひょっとしたら再建築不可の物件がお宝物件に化ける可能性があります。まずはお住まいの地域の担当部署に確認してみてください。
建築基準法上の道路とはどんな道路なの?
道路にも建築基準法上の道路とそうでない道路があるというお話をしましたが、「建築基準法上の道路」とはどういった場合のことでしょうか。それは主に次のような場合です。
建築物の敷地は、建築基準法上の「道路」に2m以上接していないと、原則として、建物を建てることができません。 この「道路」(建築基準法上の道路)とは、次のものなどをいいます。
引用元 横浜市「建築基準法上の道路とは何か、教えてほしい。」
1 公道で幅員が4m以上のもの
2 都市計画法や土地区画整理法などの法律に基づいてつくられた幅員4m以上のもの
3 建築基準法施行時(昭和25年11月23日)に幅員4m以上あったもの
4 道路法や都市計画法等によらないで築造する道で、その位置の指定を受けた幅員4m以上のもの
5 建築基準法施行時(昭和25年11月23日)に、その道に沿って、建築物が建ち並んでいた幅員1.8m以上4m未満のもの(通称「2項道路」と呼んでいます。)
※ 1以外は公道、私道の両方の場合があります。

色々難しい言葉があり「?」という感じですが、かなり省略して解説すると、「幅が4メートル以上の道路か、昭和25年以前にすでに存在していた1.8メートル以上の道路」に接道していれば、制約がかかる場合はあるが、再建築は可能だよ」ということです。
もちろん最終的には不動産業者に確認するか、市役所などの管轄部署へお問い合わせください。
再建築不可物件を購入するメリットとデメリットとは?

不動産投資の視点から見て、再建築不可物件は下記のようなメリット・デメリットがあります。
ただ、個人的にはデメリットは購入前に想定すれば多くは対処可能な内容であり、メリットのほうが多いと感じています。ぜひ検討してみてくださいね。
再建築物件を購入するメリットとは?
- 一般的な再建築可能な物件と比較して安く購入できる可能性が高い
- 賃料は再建築不可だからと言ってほぼ直接影響を受けない
- 土地の評価額も低くなり、維持費(固定資産税)が下がる(おおよそ20%~40%くらい)
- 周囲の建物も同様に再建築不可であると考えられる為、大きく景観が変わることがない
一番のメリットといえば、「安く買える」に尽きると思います。これは不動産投資の最も重要な要素の一つである「安く買う」というリスクヘッジをしやすいのがこの再建築不可物件です。
再建築不可物件が一般の建築可能な物件に比べてどのくらい安く買えるかということですが、物件によって大きく変わりますが、およそ2割~5割、物件によってはそれ以上です。
同じ価格でより便利な立地や広い敷地の物件を購入できる可能性があります。そして、安く買える一方で賃料は再建築不可だからといって影響はほぼありません。
安く買えて、かつ維持費が安く済んで、賃料も変わらない、となれば、投資物件として外すのはあまりにももったいないと思いせんか?
再建築物件を購入するデメリットとは?
- 売却する際に価格が安くなりやすい
- 万が一火災等で建物が失われた場合、ほぼ使い道のない土地になる
- 車が進入できない立地だと駐車場の造成ができず、当然賃料が下がる
- 自分が購入する際も購入資金としては融資が受けられない。(一部例外あり)
- 自分の次に購入する方が住宅ローンなどの融資を利用できないため、現金で買える購入層に限られる。
メリットがあれば当然デメリットとなりうる要素もあります。これも重要なことですので、しっかりお伝えします。
1. 売却する際に価格が安くなりやすい
購入する時に再建築不可であるという理由で安く買えたのであれば、その後自分が手放す側には当然ながら同じ状況になります。
2.万が一火災等で建物が失われた場合、ほぼ使い道のない土地になる
これが再建築不可物件の最大のリスクでしょう。今の建物がなくなっても新しい建物を建てることができない、ということ。
万が一火災などで建物が全焼し、建っていた建物がなくなってしまった場合、新しく再建することができません。
建物に火災保険を付帯すればある程度の現金的なリスクヘッジができますが、使い道のない土地は自分の手元に残り、誰かが買ってくれるまで維持費を払い続けなければなりません。
再建築不可物件を購入したいなら、この最悪の事態も想定しておくべきです。詳しくは次のセクションで述べます。
3.車が進入できない立地だと駐車場の造成ができず、当然賃料が下がる
再建築不可の土地ということは、目の前の道路すら車が通れないか、通れても敷地まで車が進入ができない土地である可能性が高いです。つまり敷地内に駐車場を作れないということです。
都内や大都市であれば大きな問題になりませんが、地方では死活問題となります。
駐車場がなければ賃料を下げざるを得ませんし、そもそも借り手がつくかどうかも考えなければいけません。
この点は、なるべく利便性の良い場所(スーパーや病院が徒歩圏内に存在)の物件を選択する、もしくはすぐ近隣で月極駐車場が借りられるかを確認した後に購入するなどの対策が必要です。
私の現在保有している物件も利便性は高い水準でクリアしたのですが、駐車場確保に大変苦労しました。最も苦労したポイントと言っても良いでしょう。
賃貸、売買問わず駐車場はついて回る問題ですので、購入前に必ず目途を付けてください。
物件や敷地内の事であれば自分の努力や工夫で乗り切れますが、敷地外の事は自分の努力ではどうにもなりません。自分でどうにもならない要素がある場合は潔く「買わない」という選択が良いと私は考えます。
4.自分が購入する際も購入資金としては融資が受けられない。
再建築物件は購入資金として融資を使用することが難しいです。なぜなら、再建築不可物件は「既存不適格」もしくは「違法建築」と判断される為です(既存不適格については詳しくは後述します)。
私も以前、政策金融公庫の担当者に既存不適格物件への融資について確認したことがありますが、法律に適合していない物件の購入に融資を出すことはコンプライアンス上難しいとのことでした。
ただし、抵当権を設定しない一般貸付で、修繕費としての融資であれば問題ないとのことでした。
再建築不可物件の購入費用を融資で賄おうとした場合、金利は高めなものの再建築不可物件でも融資してくれる可能性がある「ノンバンク」系の金融機関を活用するか、各銀行、信用金庫の使い道自由のフリーローンを活用する方法があります。
どちらにしても、再建築不可物件での融資には制約があることは注意が必要です。
5.自分の次の購入者が住宅ローンなどの融資を利用できないため、現金で買える購入層に限られる。
4.と同じ理由です。特に購入希望の方が自宅として購入したいと考えた場合、住宅ローンを利用する場合が多いと思いますが、既存不適格や違反建築物の物件では住宅ローンが使えません。
そのため、購入者は現金で買える層に限られるため、絶対数はかなり限られますし、金額的にも低い価格でないと買える人が現れないということになります。
既存不適格とは?
そもそも、「既存不適格」とはどういった意味でしょうか。
| 既存不適格 | 建築当時は法に適合していたものの、建築後の法改正などで、現在の法律には適合していない状態 |
| 違法建築 | 建築当時の法律にすら違反している状態で建築された建築物。 |
「道幅4メートル以上の道路に幅2メートル以上接道している必要がある」ことを定めた建築基準法が制定されたのは1950年(昭和25年)のこと。それ以前は人がたどり着ける場所であれば建築は行われていたようです。
また施行後もしばらくは相当アバウトな運用が行われていたようで昭和30年前後の建築なのに再建築不可という物件は普通にあります。
もちろん、既存不適格だからと言って、現在の建物を利用できないというわけではなく、住めないというわけではありません。ただし、次に建築するときは現在の法律に適合させてね。という意味です。
もちろん、再建築不可物件は最後まで既存不適格なのですが…
このデメリットを理解した上で、なおメリットが大きいと判断されれば、購入をおすすめします。
再建築不可物件は「現状」と「出口」が最も重要!その理由とは?

これまで述べたように、再建築不可の物件を購入する時には、
- 現在の建物をいかに延命させて長く使うか
- 物件の出口(売却)をいかに確保するか
この2点をできるだけリスクヘッジして、そのめどがついた物件のみを購入するのです。
1.は建物の状態を見極めてこの先も永く使えそうな物件であるかをチェックします。ここまでは内覧の時にどなたもチェックされるでしょう。
特に重要なのは2.の出口を意識する事です。つまり「自分が手放す時に買ってくれる人が居そうな物件かどうか」です。
再建築不可の物件は2.の要素、つまり売却(出口)のことも通常の物件以上にしっかり確認しましょう。更地にして新築を建てるという究極の出口がない以上、自分の次にこの家が建った状態で誰かが買わなければ、建物が朽ちた後も永遠に自分が維持費を払う必要があります。
目先の状況や物件の安さだけにとらわれず売却時の事まで考えて進みましょう。
(まとめ)再建築不可物件を購入する際のチェックポイントとは?
最後に再建築不可物件を購入される前にチェックするポイントをまとめます。
| シロアリの被害が大規模に及んでいないか | 建物が使用できない状態になると致命的 |
| 建物の傾きが大きくないか | 同上 |
| 建物が古すぎないか | 築50年以上などは避けたほうが無難。自分が売却する時に使用できる期間が短いと売却が難しくなる可能性がある |
| 建物が賃貸需要がありそうな広さか | 狭すぎる、逆に100㎡以上など広すぎると賃貸客付けが難しい |
| 近隣環境にマイナス要素はないか | 騒音や問題のある居住者など、自分の努力でどうしようもない部分があると厳しい |
| なるべく車が家の近くまで入れるか | 物件前まで車が進入できる物件なら強い。また、リフォームの時、業者さんの車が近くまで入れたほうが良い |
| なるべく平地に立地しているか | 各都市の平均的な立地にもよるが、平地が多い街で坂道、階段物件だと極端に客付けが困難になる場合がある。また、車が家の前まで進入できなければ、平地のほうが歩くのが楽 |
| 再建築可能になる要素はあるか | お住まいの役所で要確認!もし可能性があればお宝物件かも。また、接道の幅が2メートルに足りない場合、お隣の土地を購入、賃借できれば再建築可能になる場合があるので現状確認とお隣の方の素性もチェック。 |
| 生活施設が歩いて行ける範囲にあるか | スーパー、コンビニ、病院などが徒歩圏内にあれば歓迎される |
| 月極駐車場が近くにあるか、空きはあるか | 地方の物件では確認必須! |
| 現金買いの方が無理なく購入できる価格帯か | 売却時に自分の次に購入方が現金で無理なく購入できる価格帯を設定できるか(5~600万円以下ぐらいでないと相当に厳しい) |
以上、再建築不可の物件は見るべきポイントは多いですが、しっかりと準備すれば購入しても問題ありません。ぜひ検討してみてください。


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